初めての製品デザイン開発に取り組む方と、それを支える皆さまのための


(4)デザインの良し悪しの見かた

センスではなく【お客さんの喜び&事業化適性】でデザインを評価しよう

 デザイン案の良し悪しを、依頼者のセンスや好みで評価・判断する場合がよくあります。もちろん依頼者がお金を払って依頼したデザインですから、依頼者の好みに合うかどうかは重要な評価の視点となって良いでしょう。
 しかし、お客さんが喜んでくれるようなモノを作り、そのモノを用いて良い事業を営んでいくことを目的とするなら、依頼者自身の好みに加えて、まずはお客さんが喜ぶ良いモノとなっているかどうか、そして次には、良い事業づくりに貢献できるモノとなっているかどうかを評価しなければなりません。
 さらに、お客さんの喜びは、売り場やカタログでモノと初めて出会った際に感じる【魅力】と、実際にモノを手元に置いて使用したり所有したりすることを通じて得られる【満足】の二つがあります。このどちらも提供できることが、商品には求められます。

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 逆に言えば、これらがモノづくりやデザイン開発における目標ともなります。商品づくりを目指すのであれば、デザイン案を評価する際だけでなく、試作品を眺める時も、コンセプトを考える時も、上の図にある【魅力・満足・事業性】の三つの視点を常に心に置いて、開発するモノを見る習慣を持たれることをお勧めします。