初めての製品デザイン開発に取り組む方と、それを支える皆さまのための


(2)デザインの目的や役割と限界を理解しておこう

うんと大きく言えば、デザインは“問題解決”だ

 デザインとは一言で言えば、問題解決です。決して色や形だけを目立つようにしたり、斬新な見た目をモノに与えたりすることではありません。
 そして、モノのデザインは、依頼者や使い手が抱える問題を解決するためのモノを考え、生み出すことです。

モノや作り手と使い手をつなぐのがデザインの役割

 そして、モノのデザインは、使い手に喜びを感じさせ、かつコストダウンにも貢献できるなど作り手にもメリットのあるモノのありようを考え、具体化していくことでもあります。その意味では、デザインは第一に企業(依頼者)のためにあります。

iraisya01_a.jpg

デザインは、使い手にとっての“機能的価値”と“情緒的価値”をつくる

 モノをデザインする仕事は、使い手の視点で次の二つの価値を創造し、付加していく仕事です。
  ・機能的な価値(使いやすさ、便利さ、機能・性能の良さなど)
  ・情緒的な価値(美しさ、心地よさ、誇らしさなど)
 そして、そうした使い手にとっての価値を持ったモノを、きちんとした手順と考え方に基づいて、依頼者と一緒に作り上げていく仕事です。
 その意味ではデザインとは、どんなモノにでも見栄えの良い外観を手早く与えて、売れそうなモノに変えることができる”魔法の杖“では決してありません。

iraisya01_b.jpg